
何度もの分裂があり、国名が変わり、昔ユーゴスラビアと呼ばれたサッカー王国は、サッカーシーンから姿を消しました。
セアド・コラシナツは、そんな旧ユーゴのひとつ、ボスニア・ヘルツェゴビナから登場した(ドイツ生まれドイツ育ちなんだけど、代表はこっちを選択)久々のスター候補生です。
2017年にアーセナルに移籍するや、シーズン序盤から観客の度肝を抜きまくるパフォーマンスを披露。
数々の名選手を輩出した伝統の系譜を、今に蘇らせるのかもと、かなり期待されています。
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アーセナルが移籍金ゼロでセアド・コラシナツを獲得!
その名はセアド・コラシナツ。
シャルケ04で5シーズンを過ごした後、アーセナルにやってきたわけだけど、なんと契約満了にともない移籍金ゼロ。
もちろん、「こりゃお得だ」と気づいたクラブはアーセナルだけじゃなく、2017年の春前にはけっこう熾烈な争奪戦があり、晴れてベンゲルが獲得に成功したのです。
デビューは鮮烈。8月7日のコミュニティ・シールド、対チェルシー戦。後半に選手交代で入り、いきなりヘディングシュートを決めました。
同点→PK.戦でのアーセナル勝利に見事貢献して、一発でハートを鷲づかみにされたファン多数とのことでした。
身長183㎝で筋肉ムキムキのガタイと信じられないスピード、テクニック、そして決定力をあわせ持ち、早くも「ボスニアのフッキ」というあだ名を贈られたのでした。
開幕節の激走で、敵の右サイドを沈黙させたセアド・コラシナツ
ポジションは、基本バックス。シャルケでは主に左サイドバックで活躍したけれど、ユース時代にはセンターバックも務めた。
デビューのチェルシー戦はセンターバックでの交代出場でしたが、リーグ開幕節のレスター戦では3-4-2-1の左ウィングバックで登場しました。
この試合では、シャルケ時代に磨いた突破力を大爆発させて、レスターの右サイドをきりきり舞いさせましたね。圧巻でした。
プレースタイルは、万能型と言うのでしょうか。オフェンスだけに限っても、こんなでっかくて強い物体が、こんなに速く走って、対面を軽々かわすテクニックまであって、パスセンスも一級品なんて、ちょっとルール違反でしょう的なびっくりでした。
そして一旦ディフェンスに回れば、フィジカルコンタクトをまったく恐れないターミネーターに変身です。タックルの深いこと、激しいこと、恐ろしいこと。
不幸にもレスターの右サイドにいたマフレズは、ほぼ戦意喪失していましたね。
アーセナルファンにとっては、神様からの贈り物
「老害だ」、「お前はすでに終わっている」と内外から定期的に汚い言葉を投げつけられているベンゲルですが、コラシナツの獲得にだけ限って言えば、全サポーターから「グッジョブ」とサムアップしてもらえてます。
久しぶりに褒められて、ちょっと涙目かもしれない。(もともと、ちょっと、潤んだ目をしてるかな)
攻撃型のストッパーとして、最終ラインに入れるべしという意見多数。いや、セントラルミッドフィルダーが適任だろうとの強弁もあり。
いずれにしろ、この話題になった時(だけは?)、アーセナルに恋した人たちの目の輝くこと、輝くこと。
獲ったのはベンゲルだけど、贈り主は神様っていうくらい、みんなほんと幸せそうです。
シャルケでは、内田篤人と仲がよかったセアド・コラシナツ
すでに触れましたが、国籍はボスニア・ヘルツェゴビナ。生まれは1994年、ドイツのカールスルーエで、U-21まではドイツ代表として各年代のトップを走っていた逸材です。
フル代表年代を迎えた時、ルーツに目覚め、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表に参加することを決めました。
18歳でシャルケのプロ契約を獲得し、以来ずっとトップチームにいたのですから、ほんと早熟だったんですね。今でも、まだ23歳! ですよ。あの風格で。
ちなみに現地では、内田篤人と仲良しなのが知られていて、左右サイドバックの友好関係がチーム力アップにつながっていると信じるファンも多かった。
2017年夏は、奇しくもその2人がともにチームを旅立ったわけです。ウッチーのリリースについては、もう日本では知らない人はいないくらい、美談として伝えられましたね。
でも、コラシナツの方は、あまり騒ぎになることもなく、なんとなあく契約延長にならず、なんとなあくイングランドに送り出しちゃいました。なんでだろ、これはほんと不思議。
まあ、でも、どんな不思議でも、アーセナルにとっては嬉しい不思議で、どうでもいいですね。
ここから数年、あの巨体から伸びた、黄色いナイキのスパイクを履いた2本の足が、エミレーツスタジアムを沸かせ続けることだけは確かでしょう。
セアド・コラシナツのFIFA 2017の能力値は?
攻撃
能力値 | 項目 |
---|---|
74 | クロス |
42 | 決定力 |
73 | ヘディング精度 |
68 | ショートパス |
31 | ボレー |
スキル
能力値 | 項目 |
---|---|
62 | ドリブル |
43 | カーブ |
25 | FK精度 |
49 | ロングパス |
68 | ボールコントロール |
ムーブメント
能力値 | 項目 |
---|---|
74 | 加速 |
84 | トップスピード |
52 | 敏捷性 |
78 | リアクション |
55 | バランス |
パワー
能力値 | 項目 |
---|---|
82 | シュートパワー |
76 | ジャンプ |
84 | スタミナ |
88 | パワフル |
52 | ロングシュート |
メンタリティー
能力値 | 項目 |
---|---|
91 積極性 | |
69 | パスカット |
60 | ポジショニング |
56 | 視野 |
44 | ペナルティ |
70 | Composure |
ディフェンス
能力値 | 項目 |
---|---|
78 | マーク |
83 | タックル |
82 | スライディング |
ゴールキーピング
能力値 | 項目 |
---|---|
15 | GK ダイビング |
9 | GK ハンドリング |
16 | GK キック |
7 | GK ポジショニング |
9 | GK 反射神経 |
※FIFA 2017の能力値は記事執筆時に調べたものになります。
セアド・コラシナツは筋肉ムキムキのフィジカルモンスターということで、パワフルが88でスタミナが84などフィジカル関連の能力値が高いですね。
あとは、積極性が91と能力値の中で一番高いのも特徴的。
セアド・コラシナツのウイイレの能力値は?
次にセアド・コラシナツのウイニングイレブンでの能力値を見てみましょう。
能力値 | 項目 |
---|---|
58 | オフェンスセンス |
66 | ボールコントロール |
61 | ドリブル |
69 | グラウンダーパス |
69 | フライパス |
55 | 決定力 |
52 | プレースキック |
57 | カーブ |
72 | ヘディング |
82 | ディフェンスセンス |
84 | ボール奪取 |
80 | キック力 |
85 | スピード |
77 | 瞬発力 |
58 | ボディコントロール |
89 | フィジカルコンタクト |
77 | ジャンプ |
40 | GKセンス |
40 | キャッチング |
40 | クリアリング |
40 | コラプシング |
40 | ディフレクティング |
83 | スタミナ |
1 | 逆足頻度 |
2 | 逆足精度 |
6 | コンディション安定度 |
3 | ケガ耐性 |
※ウイイレの能力値は記事執筆時に調べたものになります。
さすがは、「ボスニアのフッキ」と言われるセアド・コラシナツ。
フィジカルコンタクトが89となっています。
筋肉がムキムキなのにスピードも85とかなり高め。
あえて日本代表で言うと酒井宏樹に近いのかも。
まとめ
ばたばたと監督が代わり続け、ついでにSDまで代わり、シャルケが根本から生まれ変わらなきゃならない時期だったのが大きいのかもしれませんね。
ただ、ウッチーの時もそうでしたが、サネもフンテラールも、揉めることなく送り出してるんですよね。
シャルケには少なくともそういう美しさがある。
金の話ばかりが飛び交いがちな欧州蹴球事情の中で、ドイツの方から時々、清涼感ある風が吹く、なんて詩的にまとめてみましょうか。